オーラの出ている人に出会ったら、つい人生相談してしまう。
「10年後の理想の自分になるために、逆算して、今するべきことを考える」という思考法。
聞いたことあると思います。
じゃあ、もし、10年前から逆算してすべきことをしてきたはずなのに、今の自分が理想の自分でなかったら?
それって、もしかしたら・・・?
なんか気になる人が現れた!
1年前の話になるんですけど。
大学生の息子は体育会系クラブに所属しており、様々な所に遠征にでかけます。
去年、愛知で試合が開催された際、旅行がてら夫婦して車で応援に行きました。
息子はそのまま宮城県に我々の車で行くことになっていたので、車を渡して電車で帰るところを、同じように観戦に来ていた同級生のお母さんが乗せて帰ってくれることに。
そのお母さんは、ナチュラルメーク(もしかしたらスッピン)で、ほのぼのとした、おとなしめの印象の方。
約2時間の車の旅。会話が続くか少し心配していた。
ところがどっこい!
彼女はめちゃめちゃ行動的な人だった!
息子がバイクの免許をとるっていうから、私も大型二輪免許とったの。フフフ
へえ、すごい。私も中型二輪は持ってるけど、バイクも乗る気もないわ~。
この間は、友達とヘリコプターに乗ったわ。芸能人もヘリコプターでよく移動するらしい。ヘリコプター操縦士にならないかって、誘われて真剣に考えた。フフフ
へ?飛行時間15分で8万円ぐらいかかるというあのヘリコプター?
子供が小さかった頃、子育てサークルを立ち上げて、今では市の事業になったのよ。子供が大きくなったし、事業として安定したから、「もういいかな」って引退しちゃった。フフフ
市の事業・・・。すごいな。
今は、ビットコインとイヤーコーニング。フフフ
フフフ・・・
へっ!?
最後の一行、
なに言ってるかわかりませんから~~~!!!
イヤーコーニングとは、円錐状に巻いた綿生地を蜜蝋その他で成形し、一方を耳に軽く差し、もう一方に火をともすヒーリングの一種。
イヤーコーニングとは
遠く古代より秘伝として世界中の文明で伝えられてきた神秘の療法、イヤーコーニング。
古代ではファラオといわれるような特別な地位の人だけが受けられたという特別な療法として伝わっている。
シャーマンの間では 「内なる耳を開く」とされ 、心・身体・魂をもとに戻す、特別な儀式の際になされていた火の浄化である。
(一昔前に話題となった「耳の垢がごっそり取れる」イヤーコーニングとは異なるものらしい)
彼女は、ひょんなことからイヤーコーニングの施術を受けた。
術後、「気持ちよかったなあ」程度で車を運転していると、夕日の美しさに涙が止まらなくなったそう。
何もかもがクリアになったようなその感覚が引き金となり、イヤーコーニング講習会に駆け込んで施術者となる。
私だったら、すぐに講習費が高いとか理由をつけてやめてしまうのだが、彼女は違う。
即行動。
そして、そんなスピリチュアルなお仕事をしている傍らで
ビットコイン。
お金の勉強会なるものを主催しているという・・・。
何者?
そのギャップがなんだかすごい。
迷いがなく、自身に満ち溢れているその姿にすっかり彼女のファンになってしまった。
1年ぶりの再会。今度こそ。
「イヤーコーニングを受けに行くわ~」と約束して別れた。
当時も今も、感動に涙することが皆無の状態だったので、
私も、夕日を見て、抑えられない感動に嗚咽(おえつ)してみたい!
本当にそう思っていました。
が、どっこい、なんにでも「できない理由を見つけ出す」天才の私。
施術費用1万5000円の捻出が先延ばしになり、あれよあれよと1年が過ぎた。
そして1年後、息子の遠征試合で、再会。
子供たちも4回生最後の試合で、このままだともう会うこともなくなってしまうかもしれない。
それでいいの?
それでいいのか、私!?
来週、イヤーコーニング受けに行く!
気が付いたら、彼女に宣言していました。
私にしては、なかなかの行動力。
これで晴れて、想像もしない感動体験を手にいれるのだ~~~。
感動のイヤーコーニング!?
人生そんなに甘くなかった。
イヤーコーニングの感動体験は私には得られませんでした・・・。
ベッドに横になり、まず、おへそに1本。
蜜蝋のひんやりとした感触がおへそに当たる。
火が燃えるのと共に、お腹がポカポカ温まるのかと思いきや、そのまま消火。
次に右耳。
火を灯す瞬間、「ジュ」という音がしてびっくりしたが、その後は焚火がパチパチと燃えるような、雨がザアザア降っているような、真夜中のテレビがザーザーいってるような音が続く。
その音はやけに心地よくてずっと聞いていたいほどだった。
そして左耳。
「施術中、ほとんどの人が寝てしまう」と彼女が言っていたので、この心地いい音と共に寝落ちしてしまいたいと思っていたが、なかなか眠れない。
どんなふうに燃えてるんだろう?
彼女はどこに立っているんだろう?
鳥の声がキレイやな~。
帰りに唐揚げ買って帰ろう。
京都駅のパイフェイスでパイ買おうかな。
パッションテストも受けに行かなあかんな。
また、1万円か~。
バイトしたいな。
○○さんの仕事またあるかな?
そんなこと期待するより、ブログ書いた方がいいな?
ブログ書いても儲からんしな。
株の勉強した方がいいかな?
FP3級とりたいな。
それより英検が先やな。
あ~、トーストマスターズのスピーチも考えないと。
あかん、あかん、雑念を捨てて、リラックスしないと眠られへん。
そんなことを考えていたら、彼女が私の肩に手を置いて、「終わったよ」と一言。
「えっ!!」
全然、寝られへんかった。(涙)
しかし、彼女は言う。
少しいびきをかいていたよ。顔もすっきりしてる。
気づかない間にねていたのだろうか?
確かに、心地よい音にリラックス効果は絶大だったけど・・・。
いやいや、まだ終わってはいない。
感動体験は後でやってくるに違いない。
やっぱり、最後は人生相談になる。
その後、古民家カフェでランチ。
子供のことや旦那のこと、あれこれ話しているうちに、自分が悩んでいるいることをつい話してしまう。
最後に、お腹を抱えて笑ったのがいつだったか思い出せないのよね~。
この質問に、私の古くからの友人はこぞって相槌をうつが、彼女は違う。
ええ~!本当!?しょっちゅうあるよ~!
それ、ください。
そんな話をしている中、彼女に聞かれた。
「10年後、どんな自分になっていたいとかある?」
それすらも、すんなり出てこない私だが、
「現役で働いていて、お金はたくさん儲けてなくても、人から感謝されて、毎日充実感を味わっていたいな」
と絞り出して答える。
すると、彼女はこう言った。
「10年後にそうなりたいなら、そうなるために今から準備するじゃん」
「きっと10年前も、そう思いながら毎日暮らしてきたと思う」
「10年後に理想の自分になるために、10年間最善の選択をしてきたはず」
「でも、今の自分が理想の自分になっていないと思うなら、過去の選択が間違っていたということじゃない?」
「これからも同じような考えで同じような選択をしていたら、きっと10年後も理想の自分にはなれないよ」
「だから、今まで考えてこなかったような、まったく違う選択をしていった方がいいかもね」
確かに・・・。
理想の自分になっていないのは、選択は正しいけれど、それを達成する努力が足りないと思っていた。
しかし、
もし、そもそも選択が間違っていたとしたら?
もし、必要のない努力をしていたとしたら?
もし、その努力を違うことに使っていたなら?
その答えは出るのか?
出ないのか?
自分で出すのか?
まだまだ、自分探しの旅は続きそう。
イヤーコーニング効果がどこで発揮されるのかはわからない。
ある日突然、あふれる涙と共に「これだっ」と思えるものに出会えることを期待する。