「私はわたし、Age83のストリートスナップ」を84歳の母にプレゼントしてみた

神戸で子供服のお店を経営する83歳のおしゃれな女性、木村眞由美さん。彼女の2冊目の本が出版されました。早速買って読んでみましたので、ご紹介します。

あわせて読みたい
「私はわたし、80過ぎてもおしゃれは続く」を読んでみた

本の概要

やっぱりファッション上級者です

本の内容は、前作と同じように、写真とエッセイで構成されています。

前作を出版されてからの変化や、ご主人との思いで、家族とのやりとり、そしてもちろんファッションについての持論と盛りだくさん。

少しだけ本のスナップショットをお見せしますね。

前作よりパワーアップ!?と言うよりも、木村眞由美流を貫き通すといった感じ。

初めて木村眞由美という名前を知った方は、もしかしたら「おしゃれシニア」ぐらいに思われているかもしれませんが、やはり何十年も洋服のお店を経営してこられた方だけあって、スタイリングテクはプロです。

エッセイには、彼女のファッションアイテム一つひとつに対しての考え方など学ぶべきところがたくさんあります。皆様、是非購入して読んで欲しいのですが、ひとつだけビックリした事(学んだ事)をネタバレすると、「気に入ったものは試着をしないでとりあえず買う!」ということでした。

例えば、ググっと惹かれたセーターがあったなら即購入。家に帰ってサイズが小さすぎたら、肩にかけたり、マフラー代わりにしたり、工夫して取り入れるそうです。

これはかなりの上級テクでしょ!私のような「おしゃれ永久初心者」には、箪笥の肥やしが増えすぎて危険です。でも、お気に入りのものが傍にあるだけで幸福度アップしますもんね。わからないことはない。

シェイプじゃなくてスタイル

そして、スナップショットを見ていて思うのですが、洋服のサイズ感を大切にしているものの、自分自身のボディーシェイプは無頓着な点です。

サイズが小さくてお腹がポッコリでても、サイズが大きくて胸元があきすぎても、アクセサリーやコート、ジャケットなどで上手くカバーして視線をそらせば大丈夫。

私は、二の腕と足が太いので、トップスは肘まで隠れるものもの、ボトムスはパンツばかり履いています。体型を気にしていたら着られる服が限られてくるので、勇気を振り絞ってノースリーブやスカートに挑戦してみたくなりました!

こんなアラフィフ女の二の腕が太いからって、誰も何も言いませんよね(笑)!!

84歳の母にプレゼントした結果

ここらへんで、こんな格好してたら、頭おかしいと思われるわ

実は、前作の「私はわたし、80過ぎてもおしゃれは続く」も、去年の今頃、母にプレゼントしていました。

ここ数年、何事にもやる気のなくなった母に「もっと人生を楽しんで欲しい」という思いからでした。

なんらかの分野で活躍している人をみても、「若いからできる」「私みたいな年寄りは無理」の一点張り。それじゃあ、同世代の木村眞由美を見せたら「私にもできるかも」と思ってくれるんじゃないか!?

本を見せた直後は、「へ~、80歳過ぎてもこんな人がいるんだねえ」と驚き、全く本を読まない母が一通り目を通し、同年代のご近所さんにも見せたりして、多少なりとも刺激を受けたみたいでした。

ちょうど、その頃、母がガラケーからスマホに変更したので、インスタグラムで木村眞由美さんをフォローするように設定してあげました。

母もおしゃれが好きなひとでしたので、毎日のように記事をチェックし、新しい楽しみができたと喜んでいました。

また、去年の秋ごろに、木村眞由美さんのお店を姉と訪ねたりして(会えなかったけど)、すっかりファンになっているようでした。

そこで、新刊をプレゼント。

「へ~、すごい、2冊目出さはったんや」とページをペラペラめくる一方、母の口から出てきたのはこんな一言でした。

ここらへんで、こんな格好してたら、頭おかしいと思われるわ

この人は、若い人と付き合ってるから、こういうことできるんや

娘としては、愕然

確かに、神戸ではなく、小さな町で木村さんのような服装をしていたら目立つかもしれません。しかし、服装でその人の人格までを否定するような一言を発するなんて。

そして、インスタで木村眞由美さんがよくお友達と食事に行っている姿をみたからでしょう。自分は若い人と会う機会がないから、自分が同年代の木村眞由美さんみたいになれないという言い訳。

「は~、もう何を言ってもダメなんだ!」と、当初、すごく悲しい気持ちになりました。

私はわたし、ほっといて

しかし、よく考えてみると、母も木村眞由美さんと比べられているような気がして、あまり気持ち良くなかったのかもしれません。

親が子どもに期待するように、私も母に木村眞由美さんのようになって欲しいと思っていました。それは、有名になって欲しいとかおしゃれになって欲しいとかいうのではなく、過去のネガティブな出来事ばかりを振り返り自分の不幸を嘆いてばかりの母にどうにか前を向いて欲しかったんです。

だけど、期待に押しつぶされそうな子どもが思うように、母も「人と比べないで。私だって一生懸命やってんねん」と思っていたんでしょうね。

一冊目はなんとか受け入れたけれども、2冊目はもう我慢できなかったゆえの言葉だったのだと思います。

もし、母が本を出版するとしたら、タイトルはまさしくこうなるでしょう。

私はわたし、ほっといて

しかし、ちょっと待って。

これこそがまさに木村眞由美さんの生き方と共通している点かもしれません。

好きなことをする。

それが、おしゃれを楽しむことであれ、ブツブツ文句を言う事であれ、心のままにやりたいことをする。それが「私はわたし」の真実の姿なんです。

何をやりたいかは自分しだい。それがポジティブなことであれ、ネガティブなことであれ、本人がやりたいなら仕方ないではありませんか。

娘としては心配です。でも、つまるところ「人を変えることはできない。自分が変わるしかない」なんですよね。それは、親子でも同じです。

もう、母に「木村眞由美」を押し付けることはしません

もともと私自身が「素敵な人だな」と思っただけなので、私の30年後の目標として追いかけたいと思います。

50女の心得

80代、生きてるだけで、「私はわたし」
50代、まだまだ探せ「私はわたし」

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です