「私はわたし、80過ぎてもおしゃれは続く」を読んでみた

驚異の82歳。木村眞由美さんの世界観

 Amazonで何気に本を探していて偶然見つけた1冊。 島田順子さんや草笛光子など年齢を重ねてもなおおしゃれでセクシーな方々の活躍が華々しい。有名人に限らず、最近は、BonPonさんのような素人さんにも注目が集まっている。

 ひと昔前まではその地域のちょっとした有名人や、はたまた誰にも知られず自分のポリシーに準じてひっそりと生活していた人たちが、今やブログやインスタで発信することによって日本に限らず世界に知られる存在になることができる。

 木村眞由美さんもそんな一人。 79歳からインスタグラムを始めて話題を集め、2019年末にこの本を出版。 素人と言ってもファッションのプロではある。教師と言う仕事を経て結婚。その後、神戸に洋服の店「Hananoki」を構えて今日に至る。若い頃は、パリやニューヨークに買い付けに行ったそうだ。

 髪を結っているところは一瞬島田順子さん風だけれども、少しふくよかな体つきは親しみを覚えるところ。本書では春夏秋冬ごとに合計約50のコーディネイトを披露しています。

マニッシュだけどセクシー

私がいいなと思うのは、着くずしてセクシーさを演出するところ、82歳になってもセクシーを追求する姿勢。得てして、最近の「大人のおしゃれ」的な本は中性的な着こなしが多い。と言う私も、セクシーからほど遠い服装をしている。特に冬は寒いのでハイネックのセーターの上にニットのカーデガンを羽織ってほぼベイマックス状態だ。

 木村さんの冬の装いをみると、スカーフやマフラーを無造作にまいて寒さを防ぎながらも、コートの袖を少しおってアクセサリーやシャツをチラ見えさせて、もっさり感を取り去っている。夏服になると、ヨレヨレ感のある胸のざっくり開いたTシャツを着たり、シャツのボタンを大胆に開けている。決して女らしいアイテムばかりを着ているわけではないのだけれど、そこはかとなく女らしいラインがでている。

おっぱい見えるか?見えないか?そのくらい胸元を開けると、首が長く、顎のラインがシャープに見える。そのぶん、シミ、シワ、タルミは隠せませんが(笑)、アクセサリーをジャラジャラつけて、ノープロブレム!82歳も、胸元で“女の子”するんです。

 「首のしわが恥ずかしいから」と隠さない。「いったい誰に恥ずかしいのよ~。みんなスルーよ」と一笑する。人目を気にしない。自分の好きな物を好きなように身に着ける。50代の私でももうすでに隠すことばかり考えている。どのようにしたらこのようなメンタルに至れるのだろうか?

好きこそ物の上手なれ

 それはやはり「おしゃれが好き」だからにほかない。ホリエモンも言っている、「努力するな。ハマれ」と。夢中になれるものは探すものではない。気がついたらもうそこにどっぷり浸かっているものなのだ。そして、何かにハマって集中していると周りの事も気にならない。

 実のところ、当初は84歳になる母の為にこの本を買った。免許証を返納して足が無くなりストレスを感じている母に、「まだまだこんな人がいるんだから頑張ってよ」とエールを送るためだった。でも、この本は確実に自分自身の教科書になりそうだ。 約50のコーディネートもセンスはあるがベーシックな装いがほとんど。数十年前に買った年代物のアイテムも多く使われており長く使える。今の私には手の出ない高級品もたくさんあるが、ファストファッションで代用できそうなものもある。こう言うのは申し訳ないが、木村さん自身も決してモデル体型ではないので、自分自身を投影しやすい。手元に置いて見返したくなるそんな一冊。

50女の心得

探せ!メンターはまだまだいるぞ!

 

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