子宮頸がん検査にひっかかる

 私は在宅翻訳者で自営業者として国民健康保険に加入しており、年に1回市の健康診断、5年に1度の人間ドックに行っています。2019年、初めて子宮頸がん検査に引っ掛かったので、その経過をお話しします。

9月某日 婦人科クリニックでの検診

 いつも健康診断を行っている婦人科専門のクリニックに行き一般健康診断を受けた。

 今年に入ってすぐにインフルエンザにかかり、それまで順調に28日周期だった生理が止まった。すでに53歳なので閉経ならそれでいいと思っていたけれど、6月ぐらいに再開。それもかなり量が多い。それだけならまだしも、終わってしばらくすると、また薄っすら出てくる。ナプキンを当てるほどでもないが、おりものシートは必須。そんな話を先生にした。

 内診を終え、女医先生は、「以前からある筋腫はそのままですね。まだ、ほっておいても大丈夫な大きさ。子宮が厚くなってるからもうすぐ生理があるかもね」。その3日後、生理がきた。

10月某日 要精密検査のお知らせ

 それからしばらくして、子宮頸がんと子宮体がんの検査結果がきた。子宮体がんは異常なしだったが、子宮頸がんの「LSIL」という項目にチェックがはいり精密検査が求められていた。LSILとは“ Low-grade squamous intraepithelial lesion”の略で「軽度扁平上皮内病変」という。 要は、「子宮入り口付近の内側が少し変」ということ。

しかし、私の頭には「ちょっと大げさじゃない?」という印象しかなかった。なぜなら、クリニックの先生は所見欄に「不正出血あり」と書いていたからだ。いやいや、あれは、不正出血ではなく、閉経断末魔の生理不順だってば。

 検査結果にはご丁寧にも「精密検査結果をここに送れ」と後納返信封筒とハガキまでついていた。何かの間違いと思いながらクリニックを再訪し、総合病院への紹介状を書いてもらうことに。女医先生いわく、「大丈夫だと思うけど、100人に一人くらいは子宮頸がんへ移行する場合も。そうなったら、子宮とっちゃえばいいんだけどね」。それまで他人事のように捉えていたが、「子宮とっちゃえばいいんだけどね」の一言で急に怖くなった。

11月某日 総合病院での精密検査

 総合病院では年配の男性医師が見てくれました。予約をするとき「男性医師でいいですか?」なんて尋ねられたが、そんなことを気にする歳ではもはやない。男だろうが女だろうが優秀な人なら誰でもいいのだ。

 クリニックでの検査結果を見せてすぐに組織検査をすることになった。子宮頚部の疑わしい箇所から組織を切り取って検査に出す。私の場合は、3か所採取。先生が私の股の間で、「10時と、12時と、1時を採るよ」と言いながら、なにかでパッチンパッチンつまんでいた。まあ、子宮頚部断面は円形なのでどこらへんか想像はできる。まんべんなく「12時、3時、6時、9時」としないのは、先生が所見で感じるところがあったのだろう。

 検査後、様々な可能性について説明があった。最後に、「でも、結果、何もなかったという可能性もありますよね?」と聞くと、しばらく黙ってから、 鶴瓶が宝くじのCMで「買わないという選択肢はない」と言う時の形相で 、「LSILがでてるからなあ」と言われた。またまた、背筋が凍った。

11月末 精密検査結果がでる

 2週間後、精密検査の結果を聞きに行くと、検査結果のコピーを渡された。

1. Papillomatous lesion with koilocytosis of the uterine cervix, biopsy. See description.
2. Atypical squamous epithelium of the uterine cervix, biopsy.

 「1」については、「子宮頚部の生検組織には乳頭状の病変があり、 コイロサイト(空胞細胞)もある」ということ。「2」については、「また、生検組織には扁平上皮の異形が見られる」ということ。元翻訳者だけどチンプンカンプンだわ。

 この英語のコメントの下に、日本語で詳細な説明が書いてあった。要するに「子宮頚部の表面にブツブツが出来ているし、変な細胞もある。もしかしたら、尖圭コンジローマ(いぼ)かも。ただし、それほど酷くないから、 squamous papilloma(扁平上皮性乳頭腫)とCIN/LSILの両方かもしれない。まあ他にもなんか色々あるけど、「これだ!」って決め手にかけるので、あとは担当医の判断に任せるわ」ということだった。

 緊急手術のため予約時間から2時間も待たされ、その上子宮全摘出の覚悟をきめていた私にとってはなんとも中途半端な診断。喜んでいいのか悲しんでいいのかもわからない。

 きわめつけに先生が「経過観察ということで、2か月後ぐらいに来てもらおうかな。その時までに治ってるかもしれないし・・・」。

「自然に治るんですか!?」

と、聞きたかったけど、次の予約をして帰ってきました。おそらく、喜んでいいのだろう。次回も特に大きな変化はないと思われるが、なにかあれば次回お話しします。

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